イージス・アショア中止 平和目的に転用できる(9)
目的は何?
ドローンは情報収集衛星で、目的は多岐にわたります。
気象関係を例にとると、台風や線状降水帯のような都道府県を跨ぐ大きなものは「ひまわり」に任せ、
ドローンは市町村などローカルに特化、その分、きめの細かさを売りとします。
たとえば、雨雲、ゲリラ豪雨、落雷竜巻などに関する情報、線状降水帯の中での当該地域の立ち居地など、
を地元の気象台やテレビ局にデータ送信します。
防災減災の関係では、
河川増水氾濫、土砂災害、鉄道・道路交通インフラ、 など状況把握データです。
地上で、ハザードマップと組み合わせて正しい避難対応に役立てようとするものです。
ドローンは静止衛星ではないので、当該地域のフル・カバーは1時間半に1度です。
複数ドローンの運用は、軌道上タイミングや高度を若干は変えれば可能です。3個あれば30分毎に情報が更新されます。
画像データで重要なスペックは地上分解能です。
軍事目的の偵察衛星(スパイ衛星)では米、ロ、中、韓、イスラエル、日など分解能については50cm、10cm、1cmなどの数字が取り沙汰されているが、各国とも最高機密なので本当のところは不明といって良いでしょう。
いづれにしても、今回のドローンは平和目的なので10cmや1cmの分解能はあまり関係ありません。
ただ、後で述べる目的の関係から1mの分解能は達成して貰いたい。
なぜならば、人や車は認識して欲しい。車種や個人の特定は望みません。
まずは、年末年始やGW期間における車の渋滞情報です。 自然災害時における罹災者の避難行動も把握できます。
山岳遭難や海難事故の捜索や救助にもドローン情報は役立つかもしれません。
あと、広域凶悪犯罪の捜査や解決に繋がることも期待できます。
殺人や遺体遺棄など現場の多くは人里離れた山林です。
点在する監視カメラを繋ぎ合わせて犯人を炙り出す市街地での手法は無理です。
犯人は100%車を使います。 地上で保管されていた、その地域のドローン画像を徹底的に調べあげ、
不審車を絞り込みます。 不法投棄の犯人も同様にして掴まえます。
なお、地上解像度の関係で、何か物体の存在は分ったが、人なのか車なのか判然しない場合は
「差分画像=differential imaging」を提案します。 時間を少しズラした同一箇所の比較です。
動く人や車はすぐ分ります。 既に使われている技術かも知れません。
搭載カメラは可視光だけでなく、近赤外線と遠赤外線にも対応します。
山火事の発見や延焼情報が得られます。
それと、夜間でも車や人の存在を感知できる(エンジン熱や体温)。
また、北朝鮮のミサイル発射時に生じる熱(赤外線)を感知して、迎撃隊(既存イージス、PAC3)に
早期警報を発信することも出来ます。
自然災害や事件・事故ではなく、平時でも宇宙ドローンはリモートセンサーとして地域の環境を監視・モニターします。
山林や田畑の土地利用、沿岸や近海の海水温、温暖化ガス排出などに関する情報収集です。
地域の良い生活環境の保全に役立てる為です。
米国のランドサット(地球環境観測衛星)のミニチュア版です。
ただ、ドローンが欲張って以上の全てに対応することは困難です。
なぜならば、ドローンには小型軽量の縛りがあるからです。 一つの策は、役割分担複数ドローンの運用です。