イージス・アショア中止 平和目的に転用できる(10)
課題と展望
軌道や姿勢の変更のための推力(スラスター)には、「日本製・第2の月」で考えた
日本得意の長寿命、高信頼性イオン・エンジンの使用も思い浮かびます。
しかし、そう簡単ではありません。 丸裸のドローンにとって宇宙空間には障害が一杯。
宇宙ゴミや大小隕石との衝突、絶えず降り注ぐ宇宙線がソラーパネルやドローン本体を傷つけ、機能の劣化を招きます。
このため、アメリカは偵察衛星の賞味期限が半年程度の消耗品扱いと聞きます。 この点、予算が限られる日本は何とかしなければなりません。
一つの案は物資補給運搬用宇宙船「こうのとり」の活用です。
国際宇宙ステーション(ISS、高度約400km)に荷物を届ける仕事は「こうのとり」が独占です。
記憶が新しい事例は、星出ISS宇宙飛行士による船外活動です。
星出さんは、ISSから少し離れてロボットアームを巧みに操作しながら、
「こうのとり」をたぐり寄せて補給物資の受け取りに成功しました。
「こうのとり」はこれまで無人でしたが、星出さんのような人が誰か乗る有人にしてドローンに近づくことです
(そもそも、当初はISS滞在交代時の送迎も視野に入っていたと聞きます)。
そして、今度は逆に「こうのとり」の方から、ドローンをたぐり寄せる。 点検して必要ならば部品の修理や交換、
場合によってドローン丸ごと新しいものに代える、というような夢が実現するかもしれません。