日本の宇宙開発(3)日本製第2の月

小惑星イトカワイオンエンジン・はやぶさ曳航地球周回衛星日本製「第2の月」

惑星探査・日本基地 火星など

yahooブログ(2019年7月)の再掲

 

 

キーワード:小惑星 イオンエンジン 太陽系惑星探査 第2の月 JAXA 

 

1月3日、中国探査機、月裏側に着陸、世界初。

習金平の「宇宙強国」構想、2050年までに宇宙開発世界1

という国家目標に繋げようとするものです。

 

 

 

有人宇宙船に日本が大きく出遅れた理由として、

日本は有人に拘る必要はない、探査はロボットで十分という

ものでした。 これはロボット大国日本の過信でした。

月表面を自由に徘徊できる自律ロボットの製造やテストは地球上では無理です。

 

なぜならば、重力は地球の6分の1、ほぼ真空(1000万分の1~100億分の1パスカル)、温度は超極暑(346K)~ 超極寒(40K)の繰り返し。地形は大小クレータや岩で凸凹ゴツゴツ。ロボットの部品だけは地球から運んで、製造、組み立て、試験は現地(月)でやるしかありません。

 

普通、「月面基地」とはそういうものかもしれません。 

 

理想は、ロボットの部品や資材も現地調達です。 

月に鉄鉱石、銅鉱石、ウランやレアメタルが埋蔵されていれも不思議ではありません。 

 

実際、近年の調査によると、月の北極と南極には水資源(氷を含む)や核融合発電の燃料となるヘリウム3が埋蔵

されている可能性が高いとされます。

 

月の価値は資源や軍事だけではありません。 実は、もっと壮大な先があります。

 それは、月を拠点とする太陽系への探査の旅立ちです。 火星、金星、水星、冥王星、それと小惑星、木星や土星の衛星

などがターゲットとなります。 

 

初段ロケットは月の基地から打ち上げられる。 重力は地球の6分の1、空気はないので打ち上げは楽です。 

地球+月の重力場を十分な速度をもって離れると、太陽系内の自由宇宙空間です。 

遮るものは微弱です(太陽を含む大小天体からの微弱な引力、および、宇宙に漂う極小の塵)。

 そこでの飛翔は小推力・長寿命のイオンエンジン・ロケットの出番とスイングバイ航法の組み合わせ。 

が視野に入ります。 イオンエンジンは日本が得意な技術です。

 

http://www.jaxa.jp/article/special/hayabusa/kuninaka_j.html

 

一方、「月基地」を作らず、今ある小惑星の一つを宇宙から地球の近辺まで引っ張ってくるというアイディアがあります。 

巨大な推力が長期間必要なので原子力ロケットが適当とも言われます。 実際近年、この「第2の月」について、

あの実業家イーロンマスク氏が具体的な提案をしています。

 

ではこの文脈で、日本は何が出来るかというと、小惑星「イトカワ」にイオンエンジン・ロケットに取り付けて

地球近辺まで運び「第2の月」にする案です。 地球から約3億2千万km離れた イトカワの大きさは

540 x 270 x 210 メートルです。 まずは探査船をイトカワに軟着陸させます。

着地場所の候補は、 写真からも分るように、イトカワの地表に多くありそうです。 

軟着陸は予めプログラムされたロボットが基本、しかし必要時に限り制御や誘導の修正は

地球からの電波司令です。

 

 

ここまでの展望については、「はやぶさ」 のイトカワ着地探査の実績と、

現在飛翔中の後継機「はやぶさ2」 (目標小惑星はリュウグウ)

に期待される活躍が大きな参考となるはずです。

http://spaceinfo.jaxa.jp/hayabusa/

 

 

次は、イトカワを地球方向に引っ張っていく工程です。

はやぶさ1 または はやぶさ2の進化改良型が引っ張ります。 往路と違いイトカワという負荷があるので

イオンエンジンの推力は或る程度増強されます。このイトカワ+イオンエンジンを合わせた帰還機を

はやぶさ X」 と名付けておきます。

 

殆ど無抵抗の宇宙空間を、はやぶさ X 数年かけてゆっくりと地球近辺にイトカワを運んできます。 

目標は地球の衛星にすること。日本上空も通過する斜め楕円軌道です。 

(大気はないので、楕円軌道「再突入」の火の玉問題は起こりません。)

その平均高度を徐々に下げていきます。 

最終的には、現在運用中の国際宇宙ステーション(ISS)と同程度(400km前後)、公転周期は約90分を目指します。 

この「日本製の第2の月」となる小惑星イトカワの大きさはISS(サッカー場くらいのサイズ)の数倍。 

ISSでさえ、その気になれば肉眼で見ることができるので、

第2の月は自然の月よりは大分小さいが、それでも誰も楽に地球から見える存在となります。

 

 

 

日本は第2の月を太陽系探査の拠点にすることができます。

 

ISSと同様に、日本(JAXA)との交信は無線です。たとえば、火星探査機の発射はJAXAからの電波司令です。 

同様な遠隔操作で、地上からの部品・資材や燃料の補強は、目下唯一のISS補給船である日本製「こうのとり」

の進化型とロボットで行なえます。

 

将来的には、地球から「第2の月」へは有人飛行です。 到着後は人間が暫く滞在する小さな居住区ができ、

そこでは水、空気、飲食物などの製造施設や生活ライフラインの為に人間とロボットが働きます。 

新型のイオンエンジン・ロケットの開発や制作をする工場も建設されるかもしれません。

 

最後に再び書きますが、第2の月は、本物の月や宇宙ステーションの周りと同様に、

重力も大気も殆ど無い世界、惑星探査のための地球圏外への脱出は容易です。

 

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