動物と人間(19) 猿の正義
はるか昔、今の首都圏エリアに住んでいた生き物は野生動物だけ。
人間の営みは縄文時代になってから。
それから徳川家康が江戸幕府を開くまで、江戸エリア一帯は森林と湿地に覆われ、寒村が点在していた。
当時、人は猿や猪などと平和に共存していたと想像できる。
江戸の繁栄で人間が増え「都市化」が始まり、明治、大正、昭和、平成の時代と共に都市化は加速され今の東京に至る。
郊外の土地開発で里山は消えていった。
こうして、野生動物達が生活できる場所は激減した。
そして、食料を求めて市街地を徘徊せざるを得なくなった。
「先住民」である動物から見れば理不尽な環境。
動物の立場から言えば人間こそ「野生動物」。
市街地を闊歩する多数の猿の出没で人々は大騒ぎ。
市民は捕まえようとみんな必死。 警察や機動隊も出動する。
実況報道するテレビも熱が入る。
凶悪犯罪者の逃亡劇のような様相。
最終的には猿は捕獲されて箱に入れて運ばれる。
生きているので、恐らく、麻酔が使われたのだろう。
テレビ報道はここまで。 その後、猿はどうなったかは不明。
遠い山林まで連れて行かれて自由になったと期待。