(続) 人間の業
少数意見あれこれ
最後まで「草原の輝き」を失わなかった人もいる。
チェ・ゲバラである。 ゲバラはアルゼンチンの裕福な家庭に生まれ育った。 医学生のとき夏休みに南米を旅行した。 そこで、インディオ達の貧しく奴隷のような過酷で悲惨な生活を目にした。 アメリカ大企業による搾取であることを見抜いた。 「奴隷解放」を考えながら南米各地の放浪の旅に出た。 一時は成功したボリビア革命を手伝った。 しかし、グアテマラ革命は挫折した。 これを契機に革命には武力が必要と痛感した。 こうしてカストロと出会いバティスタ傀儡政権を倒しキューバ革命を成し遂げた。 体制側となった革命政権では国立銀行総裁、財務大臣、工業大臣の要職を歴任した。
だがある日、「自分には遣り残したことがある」と記した有名な「別れの手紙」をカストロに送り、アンデスの山中に消えていった。 後年、ゲリラ戦闘の過程でボリビア政府軍とCIAに捕らわれて処刑された。
ゲバラは、その生き様 「草原の輝きを死ぬまで失わなかった」を、
体制 vs 反体制、 リベラル vs 保守、 親米 vs 反米などの立場の違いを超えて世界の人々は知っている。