変な日本語(3)
少数意見あれこれ
「考えて置きます」、「検討させて貰います」
Yahooブログ(2019年5月)の再掲
アメリカのビジネスマンが商品の売り込みの為に東京にやって来た。 一通りのPR説明が終ると高級レストランで懇親会となった。 日本側は最高のおもてなし、米国からのビジネスマンは接待を受けているような感覚だった。 彼は手ごたえを感じて上機嫌。
お開きのとき、 米ビジネスマン: 「有難うございました。考えておきます、考えさせてもらいます、・・・ 今日お話した弊社の商品、どうか宜しくお願いします」 日本企業担当責任者: 「考えておきます。 近く当方から電話します」
ビジネスマンは翌日から外出も控えホテルで電話を待った。 数日経っても電話なく、ついに諦めて日本を去った。 失意の帰国後、日本通の友人に事の顛末を話すと笑われた。 友人いわく アメリカなら、お前の売り込み商品に相手が興味を持てば、矢継ぎ早に具体的な質問をしてくる。 多分、今の日本ならそこは同じと思う。
ただし、興味が無ければ日米の対応は全く違う。 米国では、買う気があっても無くても売り手に買い手が接待など有り得ない。 日本では「考えておく、考えさせて下さい」の多くは断り。 ビジネスに限らない、たとえば、「先日のご案内のように次の日曜日長女のピアノ・リサイタルがあります。是非ともお越し下さい」。 これを断る言葉は「都合がつけば伺います」。
日本では断る場合の独特の文化がある(文字通りに鵜呑みにしない)。 相手のプライドを傷つけないための配慮がある。 受け取る側も、普通、「多分来ない」と正しい判断をする。 日本政府は諸外国と多くの厳しい交渉事と直面しなければならない。 大丈夫だろうか?
なお、この投稿の直前に下の記事を見つけました。 本稿と重なる部分が多くあります。 |