民間人の宇宙旅行
#あなたは処理済みの尿を飲めるか?
健康で金さえ払えば宇宙に行ける?
そう簡単ではない。大金持ちの道楽ではない。
まずは、地上での厳しい訓練がある。
無重力環境(正確には微小重力)への順応、
ロケット打ち上げ時に遭遇する強烈な加速度(重力加速度の数倍、5G,6G)、
乗り物酔いならぬ「宇宙酔い」に繋がる複雑な3次元回転運動、
地球帰還の際に想定外の不時着に備えるサーバイバル訓練も重要。
それと、死を恐れぬ勇気、
将来、子供を作らない覚悟(遺伝子への無重力の影響は未解明)。
宇宙旅行が数日より長い場合は、生命維持装置(Life Support System)に馴染む
必要がある。
その一環として排泄物処理装置がある。 「大」のほうは研究開発途上だが、「小」は
宇宙開発当初から解決済み。 すなわち、乗り組員全員のオシッコは毎日タンクに集められ浄化される。
そして皆で飲む。 それは普通の飲料水、すなわち、H2Oの船内循環水。
(水のペットボトルを何本も持ち込むことはNG。
なぜなら, 積荷の重さ(ペイロード)を軽減することによって、打ち上げロケットの負担を可能な
限り小さくしなければならない)。
このように、民間宇宙旅行は大金持ちの道楽ではない。
宇宙へ行く資格の地上テストでまず一番に手っ取り早く行えることは、
処理済小便を抵抗なく飲めるかどうかである。
上に書いた全ての要件は、プロの宇宙飛行士が搭乗前にクリアしている。
前沢さんが宇宙旅行は12日間の予定。
このため地上での訓練は100日に及んだという。