動物と人類(10)
旭山動物園の印象
昨夏、旭川在住の知人夫妻の案内で全国に名を知られる旭山動物園を訪れる機会がありました。
陸生、水棲の様々な動物がコンパクトに纏まっています。
来園者ファーストの理念が全園に滲み出ていました。
たとえば狼。 日本では絶滅した狼を群れとして飼育している日本で唯一の動物園。
私も含めてみんな狼の遠吠えを聞きたい。この時期の遠吠えは午後4時ころ、
でも今日もその通り吼えるかどうかの保証はありません、と飼育係り。
私は、以前ビデオで見た子供狼がお母さん狼を真似して遠吠えするシーンを特に見たかった。
それは子狼に科す訓練、子狼が大人狼と同様に, イッパシに斜め上方を見据えて
吼えていたのが可愛かった。
いずれにしても、残念ながら、その日は狼の遠吠えショーはありませんでした。
アザラシのコーナーも人気。
集まった大勢の子供達の前で飼育係りが大声で、次のように話していた。
「多くのアザラシがここに集まるのは、見物人にサービスしているのではない。
君達みんなが売店で買った餌をくれるのを待っているだけ。
人にフレンドリーに懐いているのではない。 勘違いしないように。
これを聞いて、多分、それは真実。
しかし、その一方、この発言はアザラシと人間の楽しい触れ合いに
水を差すもの、
「それを言っちゃあ、オシメイよ」
とも感じた。
しかし、飼育係りの真意がすぐに分った。
アザラシが餌の取り合いに夢中になり過ぎて、結果、チビッコが怪我をすること多い、という裏事情があった。