偏見 差別 隔離 排他(6)

女性の産業医は貴重な存在

医大は女子受験生のハードルを、むしろ、下げると良い

 Yahooブログ(2018年10月)の再掲

キーワード:医大付属病院 男性医師 女性医師 外科・産科・救急 体力勝負 仕事・家庭両立 働き方改革

 産業医 産業医科大学

 

医学系入試において、女子のハードルを上げるように操作したことが付属病院をもつ複数の医大で判明した。 理由は必ずしも女性差別ではない。命を預かる病院には切実な理由がある。

 

卒業して医師免許をとっても、医療から離れ、結婚して主婦になり子供を作って家庭の為に働くことを選ぶ。 また、たとえ医師として仕事を続けるとしても、体力勝負の臨床医を敬遠する。 たとえば、10時間以上も手が離せない手術も珍しくない外科部門、あるいは、夜間も週末休日も関係ない緊急事態に即応が求められる小児科、産婦人科、救急医療などは避け、眼科や耳鼻科など人命に比較的影響しない分野に女子医学生が志望する傾向があるという。 

 

この問題は他の臨床部門への皺寄せとなる。 病院全体で専門医の人手バランスが崩れ、病院の本来の責任を果たすことに支障が生じる。 こうして男女差別のそしりを覚悟して、男子の採用を優先せざるを得ないのが現状のようだ。抜本改革が必要なことは関係者も良く分っている。 しかし、この改革も「働き方改革のひとつ」、時間がかかる。 入院も外来も患者は待ってくれない。

 

ここで大事なことが忘れられている。 それは、産業医という職種の存在である。 常時従業員50人以上の企業には産業医が常駐していることを法律が義務づけている(学校の保健室のイメージ)。 

 

そして、女性の産業医の需要は多い。 なぜならば、問題や悩みには女性特有のものがある。 男性の産業医には相談し難いことが多々ある。 たとえば、職場のセクハラやストーカー、それと、生理や更年期障害に関係する体調不良などである。

 

産業医科大学は産業医の育成を主目的とし、厚生労働省の産業医学振興財団の助を受けている。 産業医として一定期間(9-11年間)働けば、修学資金貸与額の返還は免除となる。 筆者はこの大学の非常勤として1年間勤めたことがある。 そこで聞いた話では入試は全国から受験生が押し寄せる狭き門である。 産業医を志望する女子は多く、私が担当した学生の半数以上だった。 志望動機は前の段落で書いた理由の他に、産業医は企業に雇われる身、働く時間帯は他の社員と同じ。 家事や育児に特に支障は無い。 また、一般女子社員と同様に産休も育児休もとれる。

 

付属病院を持つ他の医大も女子を敬遠することを止めて、むしろ、主に女子をターゲットとした産業医・育成キャンペーンを打ち出せば良い。 女子の入学ハードルを下げる逆差別でもよい。 女子が増えれば、その分、医大経営のプラスになる。 そのプラス分は産業医部門以外の医師の育成と増員に回すことが出来る。 そして、病院運営の効率化だけでなく、働き方改革にも繋がる社会貢献にもなる。

 

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