MENU

2次元感染拡散:考察と計算モデル

2次元感染拡散: 1次元と違う様相

実効再生産数の本当の意味は?

 

キーワード: 1次元と2次元 コロナウイルス量 PCR  陽性/陰性

ウイルス量うつし率p 実効再生産数(本当の意味) 人が人へ陽性貢献度

集団感染 クラスター 無症状感染 隠れ陽性 感染源/感染経路不明

隠れスパー・スプレッダー 感染爆発

 

B氏がA氏から貰うコロナ・ウイルス量は

A氏のウイルス量 x  (A→B)のうつし率   式1

図2ですが、2番目の人までは陰性です。 しかし、3番目から陽性が出始め、以降は右肩上がりに急激にウイルスが増加します。 p>1 だから当然です。

待ち行列の場合、前後の人から2mくらい空きを置くことは理にかなっています。

なぜならば、前からも後ろからも、うつし率を1以下に抑える方向に働くからです。

図3

図3の状況を考えます。

計算を簡単にするために、真ん中の人(赤丸氏)を除いた周囲の直近8人全員のウイルス量は4、つまりPRC陰性とします。 

直近8人の一人一人から赤丸氏への[うつし率]を50%(p =0.5 )とします。

 

すると、赤丸氏が受けるウイルスの総量は

4 x 0.5 x 8= 16

 赤丸氏は陽性となります!

 

でも、p = 0.5 <1 なのになぜ?

1次元のとき(図1)はp<1 ならば安心だったのになぜ?

それと、周囲の一人一人がウイルスをうつして陽性感染させたのは赤丸氏ひとりだけ

 

他方、実効再生産数 というコロナウイルス関連で昨今しばしば聞く感染症学の言葉があります。

それは、一人の感染者が何人の他人にその病気をうつすか? その数です。

この数が1以上ならば流行は拡大、1以下ならば流行は収束から終息に向かうというものです。 このことは、うつし率pの1を境とした大小で、状況が大きく違う1次元のケース(図1,2) と何か関係があるのか?

 

下のように考えます。

赤丸氏を陽性感染(ウイルス量=16)させたのは周りの陰性の人々の協同作業の結果なのです。

周り8人の一人一人の分担貢献は

16 ÷ 8 =2

となります。 これは周りの人それぞれの実効再生数は1であることを意味します。

更に2次感染まで考慮すると赤丸氏のウイルス量はもっと大きくなります(図4)。

 

図4

 

 

更にまた、赤丸氏は集団全体の一人の「代表者」に過ぎません。

言い換えると、ここまで考察したことは集団の全員にあてはまります。

よって集団全体が赤丸氏のような「ド陽性」で埋め尽くされます(図5)。

そして、このような人同士が相互感染を起こし、実効再生数は1より大きくなっていきます。

 

今の日本で他人にコロナウイルスをうつす者は陽性者の20%くらいに過ぎない、だが、

それにしては発症者が多いという事実は、以上のような2次元考察から理解できるかも知れません。

下はツイッターにあげたメッセージです。

前後を2m空けた1列の行列なら感染リスクは低い。 しかし、平面上の人の密集では、周りが全員陰性で2m離れていても、

感染してPCR陽性となるリスクは急増する。

 

感染源、感染経路が不明の事例が増えています。 特に、大人口の都市圏や国外からの帰国者に多いことは良く分ります。

追跡が困難だからです。 検査の記録があれば、時間と手間をかければ追跡できます。

しかし、検査されず記録が残っていない人達が問題です。

特に「隠れ陽性」のことです。 これが多いと予測以上に伝染は拡がります。

中でも「隠れスーパー・スプレッダー 」 が危険です。

 

 

 

 

図7は「通常の市中感染」です。

PCR陽性がポツポツ(C氏、M氏)います。

図8は隠れスーパー・スプレッダー(X氏)が突然あらわれた直後の様子。

近くの2名が新たに陽性(A氏、G氏)となります。 これがクラスターの芽です。

時間さらに進むと(図9)、B氏、D氏、E氏、I氏なども新規陽性として加わります。

同時に、既に陽性のA氏、C氏、G氏、M氏のウイルスはさらに増加します。

これら4氏はX氏の「子分スプレッダー」としてクラスタ形成とその拡大に寄与していきます。

 

一人の隠れスーパー・スプレッダーX氏の突然の乱入によって市中感染は、図9のような悲惨な場に豹変します。 

X氏は超陽性だが、発熱などの自覚症状はなく検査を受けたことはない。 

とても元気で健康。 ランダムに歩き回る、飛び回る。

ある集団にこのようなクラスターが発生するリスクは、集団の公衆衛生の良悪や、集団の規模の大小とは必ずしも関係なく、

スーパー・スプレッダーが一人でも他所から闖入するか否かで決まる、つまり「運/不運」のようなものです。 

集団に入り込むスーパー・スプレッダーを早期に発見して隔離すれば問題は解消されますが、それは容易ではありません。

ちなみに、スーパー・スプレッダー(毒王:中国語)はサーズ・コロナウイルスのとき中国人に確認されたが、

海外の一部の専門家は新型コロナウイルスでもスーパー・スプレッダーが存在した可能性を指摘しています。 

ただ、スーパー・スプレッダーの個人特定は困難なことも認めています

https://www.afpbb.com/articles/-/3273548

 

いづれにしても、スーパー・スプレッダーの早期発見は決定的に重要です。

お金や労力を惜しみなくかける価値があると思います。

この具体的な私案・素案を https://pruning101.com/?p=1189

の後半部で書きました。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です